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JALカード以外のクレカを使った方がお得なケース
我々陸マイラーにとって、JALカードでの支払いがマイルを貯める唯一の手段ですが、日々の買い物の中で様々な誘惑もあります。
そう、我々がJALカード以外に所有するサブカードのうち、各ショップなどが提携して発行されるクレジットカード(以下「提携カード」)の存在です。
提携カードとは、そのお店が主体となって発行するクレジットカードのこと。提携カードの場合、大抵提携カードの名前に主体となるお店の名前を冠しているケースが多数です。
例えば、楽天グループでの支払いでポイントが倍付けされる楽天カードや、ルミネでの買い物が5%(キャンペーン時は10%)割引されるルミネカードなどが代表的。
皆さんもすでに何枚かお持ちではないでしょうか。
「JALカードでの支払いに絞り、1日も早くマイルを貯めよう!」と決意しても、いざレジに並ぶと「提携カードで支払ったの方がお得なのでは?」と迷いが出てくる人もいるでしょう。
そこで、どんな時に提携カードで支払った方がお得なのか、そしてその線引きはどこでしたらいいのか、JALカードと提携カードの使い分けについて考えてみたいと思います。
マイルでは見えにくいJALカードの実質還元率とは・・・?
今や我々の身の回りにはクレジットカードで溢れています。
日本クレジットカード協会の調べによると、2013年時点でクレジットカード総数は3憶2千万枚。発行できない未成年者や現金主義者を除くと、1人平均3~4枚はクレジットカードを持っていることになります。
なぜこう何枚もクレジットカードを作るのかと言えば、「作った方が(申し込み特典やポイント還元など)何かとお得そうだから」。
たいていの場合、年会費・入会金が無料ですので、何のためらいもなく、ついつい増えてしまいます。
では、本当に提携カードで支払う方がJALカードで支払うよりお得なケースがあるのでしょうか?
それを確かめるには、まずJALカードの実質還元率について考えてみたいと思います。今後は、マイルを特典航空券に交換することを前提に話を進めてまいります。
1.国際線の運賃を確認してみよう
まずはマイルを使わずに航空券を購入した場合、いくらかかるのか調べてみました。
比較条件を明確にするため、東京(成田・羽田)と、みんな大好きハワイ(ホノルル)間のエコノミークラスの往復運賃を調べてみます。
(JAL国際線の運賃一覧はこちら)
エコノミークラスでも、その運賃の種類は、JALエコノミークラス普通運賃、JALエコノミーセイバー、ダイナミックセイバー5、の3つに分かれています。
名称だけではどんな内容か分かり難いですが、ダイナミックセイバー5とは、5日前まで予約ができる、往路も復路も変更できないタイプのチケットのこと。さらに空席状況でA~Fまでの6段階で値段も搭乗マイル(フライトマイル)も変わってきます。
一方、JALエコノミーセイバーとは、出発当日まで予約ができる、有料で復路の変更ができるチケットのことです。
(JALエコノミーセーバー運賃)
海外旅行を想定した場合、万一延泊する可能性も考え、JALエコノミーセイバーの運賃で比較をすると、成田発着で18万円、羽田発着で19.5万円となります。ちなみに余談ですが、JALエコノミークラス普通運賃なら60万円。
この先、還元率の計算では、金額の安い成田発着の18万円の金額を使って計算していきます。
2.特典航空券の交換に必要なマイル数を確認しよう
次に特典航空券の交換に必要なマイル数を確認していきます。
JAL国際線特典航空券マイル早見表(詳細はこちら)によると、東京(成田・羽田)とハワイ(ホノルル)間の往復航空券の交換に必要なマイル数は、2016年度で40,000マイル。
ただし、JALカード会員の場合はJALカード割引があり、1,000マイルお得になって39,000マイルが必要となります。(2016年度早見表のPDF版はこちら)
JALカードのショッピングマイル・プレミアムに入会していれば、通常100円で1マイルが貯まりますので、ハワイ往復に必要な39,000マイルを貯めるためには、390万円分のショッピングが必要になる計算です。
3.JALカードの還元率を算出してみよう
これらの数字を用いて、今度はJALカードのおおよその実質還元率を算出していきます。実質還元率は一体いくらになるでしょう?
18万円分の特典航空券を得るのに必要なJALカード利用額390万円で割り戻すと、その還元率は約4.61%となります。
JALカードの場合、JALカードの年会費やショッピングマイル・プレミアムの年会費などがかかるため、これらを差し引いて考えると、JALカードの実質還元率は大体4.5%程度と考えるのが妥当でしょう。
5%を超える還元率なら提携カードを優先して使う
もちろん、JALカードの実質還元率4.5%はあくまでも1つの基準であり、目標とする目的地の特典航空券に必要なマイル数や、運賃によって還元率は若干変ってきます。
しかし、以上のことから、もし今皆さんがお持ちのサブカード(提携カード)が還元率5%を超えているようであれば、JALカードを使わずにサブカード(提携カード)で支払った方が良いことになります。
各種提携カード、ルミネカードはお得、楽天カードは損!?
例えば、ルミネでのお買い物では、ルミネカードで支払うことで5%オフ+ポイント(0.5%相当)となり、この場合、JALカードで支払うより還元率が良く、お得になります。
一方、楽天カードの場合、楽天市場で楽天カードを使っても付加されるのは3%(「楽天カードご利用で4倍」のうち、通常ポイント1倍を含まれているため、楽天カード利用のメリットは実質3倍分=3%)にしかならず、JALカードで支払う方が還元率は良くなります。
JALカードの還元率を10%近くまで引き上げる手段とは?
それでは、JALカードの実質還元率4.5%をさらに高める方法はないのでしょうか?
いえ、支払い方法や利用店舗に少し気を配るだけで、還元率を引き上げることは可能です。
例えば、マイルが2倍たまるJALカード特約店を積極的に利用したり、WAONを使える店舗ではチャージと利用でマイルがWダブル取りできるJMB WAONを使うことで、通常よりそれぞれ約2倍~1.5倍のマイルが貯まることになります。
つまり、4.5%程度だったJALカードの実質還元率が約9%程度まで高めることも可能なのです。
逆に年会費を惜しむあまり、ショッピングマイル・プレミアムに入会しなければ、還元率は2%程度。これではいつまで経っても目標とする特典航空券は手に入りません。
年会費・入会金無料の各種提携カード、それそれのお店が提携しているクレジットカードを使った方がお得な印象もありますが、実際に数字を算出して比較してみてください。
JALカードを上回る還元率が実現できるサブカード(提携カード)は、そうないことを実感できるのではないでしょうか。
ただし、マイルを特典航空券ではなくeJALポイントに交換してしまうと還元率は1.5%に、その他に交換するとさらに還元率は下がるのでご注意ください。